2026.08.20

「せっかく遠近両用メガネを作ったのに、気持ち悪くて使えなかった」
「手元が見えづらくて結局外してしまう」
といったご相談を、当店でも毎日のようにお受けします。
遠近両用メガネが合わない原因は、大きく分けて「①用途 ②度数 ③レンズの設計 ④フレーム ⑤フィッティング」の5つのズレにあります。
ここでは、過去のご相談事例を交えながら、失敗しない選び方の5つの基準を1級眼鏡作製技能士の視点で解説いたします。
【ご相談事例】
「遠近両用を作ったのに、長時間のパソコン作業をしていると首や肩がガチガチに凝る」
【解決策】
これは最も多い失敗例です。一般的な「遠近両用」は、遠く(運転など)を広く見ることを重視しており、パソコン画面(中間距離)や手元を見るエリアはレンズの下の方に狭く作られています。そのため、無理に顎を上げて画面を見続けることになり、首が痛くなります。
デスクワークが中心の方には、室内用(中近両用)やデスクワーク用(近々両用)といった、用途に合わせたレンズへの変更をご提案しています。

【ご相談事例】
「遠くをバッチリ1.2まで見えるようにしてもらったが、足元がフワフワして怖いし、手元が狭くて見えにくい」
【解決策】
遠近両用レンズは、遠くの度数と手元の度数の「差(加入度数といいます)」が大きくなるほど、レンズの側方(左右の端)の歪みが強くなり、視野も狭くなります。
また、加入度数を緩めることで、歪みの少ない、圧倒的に日常使いしやすいメガネになります。
【ご相談事例】
「顔を動かすと景色がぐにゃっと曲がって見えて、どうしても酔ってしまう」
【解決策】
遠近両用レンズには、一枚のレンズの中に上から下に「遠く・中間・近く」の度数が連続して入っているため、どうしても物理的な「歪み(収差)」が発生するエリアがあります。
この歪みをどこまで減らせるかは「レンズ設計のグレード」で決まります。
低価格帯で多い「外面設計(レンズの外側に設計を反映させる)」から、歪みを細かく補正する「内面設計(レンズの内側、目に近い側に設計を反映させる)」、さらには見え心地が最も自然な「両面設計(外側と内側の両方に設計を反映させる)」へとグレードを上げることで、視界の揺れや歪みは劇的に改善します。酔いやすい方には、設計のグレードアップが最も効果的です。

【ご相談事例】
「手元の小さい文字を見る時、メガネを上に持ち上げないとピントが合わない」
【解決策】
遠近両用レンズは、レンズの上部に遠く用、下部に近く用の度数が入っています。そのため、最近流行りの縦幅(天地幅)が極端に狭いフレームを選ぶと、手元を見るための大切な部分がカットされてしまうのです。
最低でも天地幅30mm以上あるフレームを選びましょう。また、レンズの位置がズレると見え方が大きく変わるため、鼻パッド(クリングス)がついており、しっかり顔に固定できる安定したフレームを選ぶことが必須条件です。また、手元の度数を入れる範囲を広くすることも方法です。

【ご相談事例】
「買った時はよく見えたのに、最近なんだか見えづらくて疲れる」
【解決策】
遠近両用メガネの性能は、黒目の中心(アイポイント)がレンズの設計上の正しい位置に、ミリ単位で合っていることで初めて発揮されます。
メガネが少しでもズレて下がっていたり、目とレンズの距離が離れすぎたりしていると、全く違う度数の部分で物を見ることになります。お渡し時のプレフィッティングはもちろん、お顔の骨格に合わせた角度調整、そして定期的なメンテナンス(掛け具合の調整)ができる技術者のいるお店を選ぶことが、長く快適に使うための最大のポイントです。
最後に
遠近両用メガネは「買って終わり」の既製品ではなく、お客様の目と生活に合わせて作り上げる「オーダーメイドの道具」です。もし今お使いのメガネに違和感がある場合は、我慢せずに一度専門店で調整や測定の見直しをご相談ください。
店舗情報
メガネのタナカヤの原点です。ご要望をおうかがいした上で、1級眼鏡作製技能士(国家検定資格)が確かな技術と安心でお客様に最適なメガネをご提案いたします。トマトグラッシーズ、omodok(オモドック)をはじめとする、お子様向けのブランドから、999.9(フォーナインズ)、ラインアートを中心としたミドルからシニア世代向けのブランドまで、幅広いラインナップを揃えております。